メイソンは最愛の女性であるジュリアと結婚したとき、完璧な女性な出会ったと思いました。しかし、結婚初夜から二人の関係はすでに上手くいきませんでした。結婚式が終わってから自分の部屋に戻ったメイソンでしたが、鍵がかかっていて中に入ることができません。ドアを叩きますが、新婦のジュリアはドアを開けようとはしませんでした。
ついに部屋に入ることができたと思ったら、メイソンは部屋の中であるものを見つけたのです。
部屋に入る
部屋のドアをノックしながらジュリアの名前を呼びますが、新婦のジュリアはなかなかドアを開けてくれません。結婚式で疲れ果て、メイソンが部屋に戻ってくる前にすでに寝てしまったのでしょうか？メイソンは仕方なくフロントに電話をして、部屋のドアを開けてもらいました。ジュリアのことが心配だったので、メイソンは慌てて部屋の中に入りますが、部屋の中には誰もいませんでした。
彼が見つけたのは、化粧台の上に置いてあった１枚のメモのみだったのです。
置いてあったメモ
メイソンは、ジュリアが書き残したメモを読みました。しかし、メモの内容にメイソンは信じられない思いでした。メイソンはこんなにもジュリアのことを愛して信じていたのに、彼女はどうしてこんなひどい仕打ちを彼にできたのでしょうか？事実を知って、悲しみに暮れたメイソンは、食べることも寝ることも困難になってしまいます。メイソンは、どん底から立ち直ることができるのでしょうか？
一体、ジュリアに何が起こったというのでしょうか？メイソンに残したメモには何が書かれていたのでしょか？そして、なぜ彼女は結婚初夜に姿を消したのでしょうか？
二人の歯車
メイソンとジュリア二人の完璧な結婚式を見た後に、事態がこれほどまで悪化するとは誰に予想することができたでしょうか。メイソンの頭の中では、それはまるでラブストーリー映画のワンシーンのようでした。今まで苦労して結婚式の準備をしてきたかいがありました。そして、この幸せがずっと続くと思っていたのです。
しかし、まさか本当にドラマのような展開が現実に起こり得るとは思ってもいませんでした。二人は互いに愛し合い、さまざまな問題も一緒に乗り越えてきました。それなのに、二人の歯車はどこで外れてしまったのでしょうか？
二人の出会い
二人は寒い日の夜、バーで出会いました。メイソンがよく通っているバーに、ジュリアが初めて行ったの日のことです。メイソンはジュリアを見た瞬間、自分の目を信じることができませんでした。それはまさに恋愛ドラマのワンシーンであるかのように、メイソンは一瞬でジュリアに恋に落ちたのです。メイソンは美しいジュリアから、目を背けることができません。
この機会を逃せば、一生会えなくなってしまうかもしれないと思ったメイソンは、自分の中にある勇気すべてを奮い立たせると、彼女に話かけることにしました。
二人の恋物語
相手にされなかったらどうしようと不安を抱いていたメイソンですが、話し始めるとすぐに意気投合した二人。ジュリアのような女性と付き合える機会はないと思っていましたが、メイソンがジュリアに惚れているように、ジュリアもまたメイソンに気があるようでした。
二人は楽しいひと時を過ごした後、携帯番号を交換して、その日はバーを後にしました。そして、二人が交際を始めるまで、そう時間はかかりませんでした。
交際スタート
それから数週間後、メイソンとジュリアはますます親密な関係を築いていました。彼らはほぼ毎日のように会うようになり、すぐに家族や友人に交際していることを公表したのです。幸せそうな二人からは、問題などなく、すべてが順調に進んでいるかのように見えました。しかし、実際には二人には乗り越えるべき問題があったのです。
メイソンはこの問題について、とても心配していました……。これからの将来のことを考えると、メイソンはジュリアだけでなく、家族や友人のことも考える必要がありました。
元カノの存在
ジュリアは、メイソンの初恋相手ではありませんでした。実は彼には、以前にも長く付き合っていた彼女がいたのです。元カノの名前はサマンサといい、当時は彼女と別れることはないと思っていました。サマンサが運命の相手であり、一生サマンサと共に生きていくものだとメイソンは思っていたのです。
しかし、時に運命は残酷で思った通りにならないことがあります。どんなにもがいたとしても、自分ではどうしようもできないこともあるのです。サマンサとのことも、メイソンは何もできることがありませんでした。
悲しみに暮れる
数年前、サマンサは事故で亡くなったのでした。正確には、今から５年前になります。２２歳という若すぎる年齢でサマンサはこの世を去ったのでした。それからというもの、人生のパートナーだと思っていた彼女を失ったメイソンは悲しみに暮れていました。彼女との別れはあまりに突然のことだったのです。
しかし、メイソンは悲しんでばかりはいられません。彼は気丈に振る舞う必要があったのです。もちろん、自分自身を見失わないためでもありますが、メイソンにはもう１人何としても守らなければならない存在がいました。
息子コナー
サマンサとの間には、息子のコナーを授かりました。事故が起きた当時、コナーはまだたったの３歳。まだまだ世話のかかる時期であり、メイソンからたくさんの前向きな気持ちや幸せな気持ちを受け取る必要があったのです。特に、母親を失ったこともあり、メイソンから母親の分を含めて２倍の愛情をコナーに注ぐ必要がありました。
どんなに辛い時でも息子に笑顔を見せることは簡単なことではありませんでした。しかし、ある意味息子の存在がメイソンを救っていたのかもしれません。
過去と現在
コナーの子育てや家事が忙しかったおかげで、メイソンは悲しみや苦悩以外のことも考えることができました。彼がすべてを乗り越えて人生を歩み続けることができたのは、すべてコナーのおかげなのです。そして、ようやく新しいパートナーを見つけようと思うまでに彼の心が回復したときでした。ジュリアがメイソンの世界に舞い降りてきたのです。
そして今、メイソンの過去と現在の人生が交錯しようとしていました……。ジュリアのことを好きになったとはいえ、メイソンは息子のコナーをないがしろにすることは決してできません。
交際１か月
メイソンとジュリアが交際を始めて１か月が経った頃、コナーは自分の父親が好意を寄せている女性に会いたいと言い出しました。ジュリアとコナーはまだ会ったことがありません。メイソンは、ジュリアが人生のパートナーとして、今後も長い間一緒にいることが分かってから、コナーにジュリアを紹介しようと思っていたのでした。しかし、真剣にジュリアと向き合っていたメイソンは、今がちょうど新しいパートナーをコナーに紹介する時期だと感じました。そして、早速３人で会う機会を設けることにしたのです。
計画通りに進まない
コナーは、自分の父親に新しい彼女が出来たことを嬉しく思っていました。しかし、実際ジュリアに会ったときにはショックを受けたのです。長い間、他の女性と付き合うことがなかった父親を見てきたので、素敵なパートナーを見つけて、幸せになって欲しいとコナーは思っていました。もちろん、父とジュリアが交際していると聞いたときも、二人の交際に賛成していました。それなのに、いざジュリアに会ったコナーは、二人の関係を反対せずにはいられませんでした。
なぜコナーは急に意見を変えて、二人の関係に反対したのでしょうか？
交際に反対のコナー
父にジュリアのことを紹介されたコナーは動揺を隠せませんでした。二人には明らかな年齢差があったのです。メイソンはジュリアよりも８歳も年上でした。それだけでなく、ジュリアはまだたったの１８歳だったのです。
コナーは父が未成年の女性と交際していることを知り、がっかりしました。父親の交際に前向きだったコナーの意見が急に変わったのはこのためです。父親の幸せを何よりも願っていたコナーは、父が騙されているのか心配になり、二人の交際を認めるのを拒否したのでした。
大きな年齢差
二人には大きな年齢差があったため、周りの人々に交際を認めてもらうことができず、二人は苦しい状況に追い込まれました。そのため二人は、みんなの助言に従って別れるか、一緒に困難を乗り越えて人生を共にするかの選択をする必要がありました。
しかしその当時は、メイソンとジュリアは周りが見えなくなるほど愛し合っていたので、交際を続けることにしたのです。しかしメイソンは、「もっとよく考えるべきであった」と、後に当時のことを振り返ったのでした。
交際を続けることにした二人
幸いにも、二人の年齢差に強く反対しているのは、コナーだけのようでした。少なくとも、メイソン側の家族は、二人の交際に難色を示したとしても、強く反対されることはありませんでした。それよりも、メイソンが再び愛する人を見つけたことに、みんなが嬉しく思っているようでした。
しかしもちろん、ジュリア側の家族や友人もいることを忘れてはなりません……。８歳年上の彼氏と付き合っていることを、彼女の家族や友人はどう思っているのでしょうか？
家族と友人
二人が交際を始めた時、メイソンはジュリアの家族から年齢差について非難されるのではないかと恐れていました。１８歳の少女が８歳年上の男性と交際していることに、彼女の家族や友人全員が応援してくれるとはとても想像できなかったのです。若くてこれから未来のあるジュリアとの交際を家族に認めてもらうのは難しいであろうと、メイソンは覚悟をしていました。
しかし、メイソンの考えとは異なり、年齢差について心配する必要はなかったのです。
ジュリアの両親
メイソンがジュリアの両親に会うまでには、長い時間がかかりました。どうやらジュリアは、自身の家族のことをあまり知られたくないようで、家族のことはほとんど話してくれませんでした。メイソンは両親に合わせてくれない理由を何度も聞きましたが、ジュリアからの返事は曖昧な答えばかりです。きっと話しづらいことがあるのだろう、そのうち全てを話してくれるだろうと、メイソンはジュリアのことを信じて待つことにしました。また、年齢差を気にして、メイソンのことを両親には話せていないのかもしれないとも思いました。
年齢差を気にする必要がない
初めは、ジュリアが両親に合わせてくれないことをメイソンは変だと感じていました。しかしすぐに、両親に会えないことで、いいこともあると気づいたのです。ジュリアの両親に会うことがなければ、二人の年齢差についてあれこれ言われることはありません。彼女の両親に会えないことは、二人の交際においてプラスな点であるとメイソンは考え始めたのでした。しかし今思い返せば、メイソンはこのことをもっと慎重に考えるべきだったのです……。
大きな秘密
メイソンの目に映るジュリアは、完璧そのものでした。これまでジュリアの欠点を見たことがなく、最高のパートナーに恵まれたことをメイソンは嬉しく思っていました。しかし、実はそんな彼女に対して、メイソンは大きな秘密を隠していたのです。彼が隠してきた秘密は、二人の関係を変えてしまう恐れさえありました。あまりに完璧だったジュリアを失うことが怖く、メイソンはなかなか打ち明けることができずにいたのです。
しかし、メイソンがジュリアに秘密を打ち明けるには、あまりに遅すぎました。メイソンにとってはさほど重要なことではなくても、ジュリアにとってはとても重要なことだったのです。
プロポーズ
交際を始めてから数年が経過しましたが、二人の絆はさらに深まり、今まで以上に幸せに見えました。そして、ジュリアが２１歳の成人となると、ついにコナーも二人の交際を認めたのです。ある夜、メイソンはロマンティックな雰囲気のレストランにジュリアを連れ出しました。
ディナーを食べ終えると、メイソンはジュリアにプロポーズをして驚かせます。もちろん、ジュリアからの答えは「イエス！」でした。コナーから交際の承認を得ることもでき、二人の結婚を遮るものは何もないかのように思えました。
結婚式の準備
二人は結婚式の計画をし始めましたが、すぐに手に負えない事態となりました。というのも、ジュリアは豪華な結婚式を夢見ており、リゾート地での結婚式を計画し始めたのです。普通に結婚式を挙げるだけでも出費がかさむのに、リゾート地となれば、飛行機代やホテル代のことも考える必要があります。
メイソンは、結婚式に大金を費やすことが賢明であるか確信が持てませんでしたが、ジュリアを喜ばせたいと思っていたので、彼女の計画に合わせることにしました。
貯金Wedding preparations23
メイソンは今までたくさん貯金をしてきましたが、ジュリアはまだ若いので貯金がありません。そのため、結婚式費用のほとんどはメイソンが払うことになっていました。ジュリアは、結婚式のために必要な費用はすべて記録に残して、後で使ったお金の半分をメイソンに返すと約束し続けたのです。
メイソンはジュリアの計画に合わせることにしました。これで結婚式の費用についてあまり心配する必要もありません。嬉しそうに結婚式の準備を進めるジュリアを見て、メイソンは幸せな気持ちになりました。
ますますプレッシャーを感じる
結婚式の日が近づくにつれて、今まで隠してきた大きな秘密をジュリアに早く共有しなければならないとメイソンはますますプレッシャーを感じていました。この事実を知らずにジェイソンと一生の添い遂げることを誓うには、あまりにジュリアに不公平すぎます。
大きな秘密であるために、話すタイミングを見計らっていたメイソン。しかしある晩、メイソンは彼女に秘密を話さないわけにはいかない状況に陥ったのでした。これ以上、ジュリアに秘密を隠し続けるわけにはいきません。
パイプカット
ある夜、ジュリアは結婚式をとても楽しみにしているとメイソンに話しました。さらに彼女は、メイソンとの間に子どもを授かることを考えるともっとワクワクしてくると言うのです。メイソンは、一瞬思考が止まりました。ついに秘密を話さなければならない時がきたのです。そして、少しの沈黙を貫いた後、ついにメイソンはジュリアに隠してきた秘密を打ち明けました。
最初の離婚後、メイソンはパイプカットの手術を受けており、コナー以外の子どもを持つことに興味はないと話したのでした。
ひどく落ち込むジュリア
ジュリアは、ひどくショックを受けました。いつか自分自身も母になることを思い描いていたジュリアにとって、ジェイソンからの告白は受け入れがたいものでした。さらには、メイソンが今までこのことを隠してきたことにも、怒りを覚えました。こんな大事なことを秘密にしているなんて、彼女には信じられなかったのです。ジュリアは動揺しながらも、メイソンの心が変わることがないのか尋ねますが、メイソンは今後もこの考えに変わることはないだろうと答えました。彼の返事を聞いた彼女はさらに怒りを募らせ、二人が一緒に暮らしているアパートから出ていきました。
メイソンは考えを変えることにした
１日ジュリアと離れてみて、メイソンは最悪な気分でした。子どもを持つことがジュリアにとってどれだけ重要であるかを彼は気づいていなかったのです。そして、メイソンは決意したのでした。彼は愛のために犠牲を払うことにしたのです。
メイソンは高額な手術であるパイプカットの再建術を予約しました。そして、ジュリアに電話をして、秘密にしていたことを謝ります。また、手術を受ければ、再び子どもが作れるようになることを説明し、二人は仲直りしたのでした。しかし、このメイソンの犠牲は価値があったのでしょうか？
未来を想像して
このけんかによって、メイソンはジュリアが彼にとっての全てであり、彼女を幸せにすることが彼の幸せでもあると改めて気づいたのです。そして、ジュリアと一緒に子どもを育てていく未来を想像し、さらに嬉しく感じました。隠していた秘密もジュリアに打ち明けることができ、もう二人の関係を止めるものは何もありません。多少の犠牲を払いましたが、ジュリアとの幸せな未来を考えれば、全てに意味があるようにジェイソンは感じました。
しかし、メイソンが想像していたような未来は、残念ながら現実になることはなかったのです……。
結婚式当日
二人は何か月もかけて、結婚式の準備を行ってきました。自分たちだけでなく、家族や友人にも楽しんで欲しいという思いで、最高な結婚式となるように整えてきました。そしてついに、結婚式当日を迎えたのです。新郎新婦からは愛が溢れており、本人たちもとてもワクワクしているようでした。また、この特別な日をお祝いするために、二人の家族や友人も遠くか結婚式場まで駆けつけてくれました。それなのに、まさかあんな事態になるとは誰も想像していませんでした。
お金より大事なもの
結婚式のためであれば、どんな出費もメイソンは惜しくないと思いました。メイソンの貯金はほとんど残っていませんでしたが、ジュリアも後で結婚式費用を半分負担してくれると約束してくれていたので、彼は気にすることはありませんでした。嬉しそうなジュリアの目を見るだけで、彼にとっては全て価値があるように感じたのです。世界中のお金すべてよりもジュリアが幸せであることが、何よりもメイソンにとっては大事でした。メイソンはジュリアにあまりに夢中で、完全に周りが見えなくなっていたのです。なんてかわいそうなメイソン……。
ベストマンとの時間
もうこれ以上パーティーを続けることができないと思えるまで、二人はゲストたちとお祝いをしていました。ほとんどのゲストがホテルの部屋に戻り、ジュリアもとても疲れ果てているようだったので、メイソンは先に部屋に戻るようにジュリアに伝えます。そして、自分は彼のベストマンと軽く飲むことにしました。二人はバーで飲み物を注文すると、メイソンはベストマンである親友に感謝を述べます。そして、メイソンの親友は本音を語り始めたのでした。
彼の本音
メイソンの親友は、メイソンとジュリアが交際し始めたとき、二人の関係を疑っていたと暴露しました。彼には、ジュリアが愛のためにメイソンと交際しているようには見えなかったのです。代わりに、何か他の理由があるように思えたのでした。しかし、無事に結婚式を挙げた二人を見た彼は、すべての疑いが完全に消えたと言います。大きな年齢差のあるカップルだったので、メイソンの親友として心配になって、そんな風に見えてしまったのかもしれないと彼は言いました。
疑い
バーを去って親友と別れた後も、メイソンは彼の言葉が頭から離れませんでした。「ジュリアの気持ちがメイソンに向いていないかもしれない」と思わせるきっかけは何だったのでしょうか。親友の言っていた通り、本当にメイソンを心配してのことだったのでしょうか。若く美しいジュリアとメイソンが愛し合って交際していたことを彼は信じられなかったのかもしれません。
メイソンは親友の言葉に軽くショックを受けましたが、このことについては彼の心の中に閉まっておこうと思いました。メイソンは今それどころではなく、他に考えなければならないことがあったのです……。
部屋に戻る
バーを出たメイソンは、ハネムーンスイートに向かいます。初夜だったので、もちろんジュリアが部屋で待っていると彼は期待していました。親友とは軽く飲んだだけなので、いくらジュリアが疲れていても、さすがに寝ていることはないだろうと思っていたのです。しかし、部屋に入ろうとしても、ドアに鍵がかかっており、中に入ることができません。
メイソンは、自分のルームキーを持っていなかったので、ドアの鍵を開けることができませんでした。
開かないドア
ジュリアが自分のルームキーを部屋に忘れてきてしまったので、メイソンは彼女が部屋に戻るときに彼のルームキーを渡していました。メイソンは、ドアをノックしながら、ジュリアの名前を呼びます。もちろん、すぐに戻るつもりだったので、ジュリアが部屋の中からドアを開けてくれると思っていました。しかし、彼女は一向に返事をしてくれないので、メイソンは心配し始めました。
結婚式の夜だというのに、彼女は本当に眠ってしまったのでしょうか？または、ジュリアに何かが起こったのでしょうか？
フロントに連絡
メイソンはドアをノックして、ジュリアの名前を叫び続けていると、近隣の部屋のゲストたちからうるさいと文句を言われてしまいました。しかたなく、メイソンはフロントに電話して、ドアを開けてもらえるように頼みます。ホテルの従業員が部屋の鍵を開けると、彼はジュリアのことが心配だったので、急いで部屋の中に入りました。しかし、部屋に入ったメイソンは驚きました。部屋の中には誰もいなかったのです。
ジュリアはどこに行ってしまったのでしょうか？何か急に外出しなければならない問題でも起こったのでしょうか？
ジュリアはどこへ？
メイソンは、ジュリアが彼のことを驚かせようとして隠れているのかもしれないと思い、すべての部屋やクローゼット、そしてベッドの下までくまなく探しました。しかし、彼の新しい妻はどこにも見当たりません。メイソンはますます心配になってきました。ジュリアに何かが起こったのでしょうか？初夜に外出するとは、よっぽどの理由があったに違いありません。
そして、化粧台の上にメモが残されているのに気づきました。結婚式の前には、ここには何も置かれていなかったはずです。誰がこのメモを残したのでしょうか？
１枚のメモ
二人は海外で結婚式を挙げていたので、１枚のメモを見たとき、ジュリアが誘拐されたのかとメイソンは怖くなりました。しかし、メモの内容は脅迫文ではなく、ジュリアがメイソン宛に残したものだったのです。「今日起こったすべてのことを整理するために、少し１人になる時間をください。明日の朝には戻ります」と、メモには書かれていました。いざ本当に結婚式を終えて、いろいろな感情がこみ上げてきたに違いありません。メイソンは、彼女の気持ちの整理がつくまで、待つことにしました。
戻ってきたジュリア
メイソンは、この状況を少し変だと思いましたが、初めにメモを見つけたときに想像したような最悪な事態が起こっていないだけよかったと思いました。それでも、結婚式で疲れているはずなのに、さまざまな考えが頭をよぎり、メイソンは眠りにつくまで時間がかかりました。そして、朝になるとジュリアはメモに書いてあった通り、二人の部屋に戻ってきたのでした。
しかし、メイソンは何かがおかしいとすぐに気づきました。
何もなかったかのように振る舞う
部屋に戻ってきたジュリアは、昨晩何事もなかったように振る舞ってきました。どうやら昨晩のことについては触れて欲しくないようです。何も問題ないと彼女はメイソンに言いましたが、彼女の行動がそうではないことを示していました。何がジュリアの心を変えてしまったのでしょうか？まだ、心の整理がつかずに、無理をしながらメイソンと接しているのでしょうか？
メイソンは、ジュリアの態度の変化に気づいていましたが、まだ希望を捨てる準備はできていませんでした。メイソンはジュリアのことを信じていたのです。
帰国
メイソンは、結婚式での出来事や一生共に添い遂げるという誓いについて、心の整理をするのに必要なだけジュリアに時間を与えようと思っていました。彼は、ジュリアが心の整理をしたら、彼の元に戻ってきて、いつも通りの幸せな生活に戻ることができると自信があったのです。
結婚式の翌日、二人の関係は少しぎくしゃくしていましたが、ハネムーンの準備をするために、飛行機に乗って帰国しました。
別れて欲しい
家に帰ってきてから数日後、ジュリアは再び姿を消しました。しかし今度は、彼女は戻ってくるつもりはなかったのです。他の人を好きになったので、別れて欲しいと彼女はメイソンにメッセージを送ったのでした。数年間付き合って、リゾート地で結婚式まで挙げたのに、ジュリアはたった一行のメッセージで、メイソンとの関係を絶とうとしたのです。
そして、誰と交際しているのかとジュリアに尋ねると、メイソンの最悪な疑念が確信に変わったのでした。
裏切り
ジュリアが姿を消した結婚式の夜、メモを読んだメイソンは何かが怪しいと感じました。ジュリアを疑うことはしたくありませんでしたが、メイソンはジュリアが誰といたのかが気になったので、結婚式の夜に他にも誰か行方が分からない人がいたか、なるべく自然に友人たちに聞きました。
そして、彼の友達であるピーターも行方が分からなかったことを見つけ出したのです。もしかしたらジュリアとピーターはそれぞれ別の場所にいたのかもしれませんが、それ以来メイソンはピーターのことを疑うようになりました。
ピーターとは？
ピーターは、メイソンと一緒に働く若い同僚です。メイソンは彼のことを可愛がっており、１０年間指導してきました。二人の間には強い絆があり、メイソンが結婚指輪を購入するときにも一緒に付き合ってくれたのです。そのため、結婚式の夜のピーターの行方が分からなくても、どこかで信じたいという思いがあったのでした。
そんな信頼していた同僚とジュリアによって裏切られたことをメイソンは信じたくありませんでした。しかし、ジュリアはそれがすべて事実であることを認めたのです。
別れの理由
メイソンは、胸が張り裂けるような思いでした。ジュリアから別れ話を切り出されてからは、彼は食べることも寝ることもままなりません。信頼していた同僚と妻のどちらからもメイソンは裏切られたのです。さらに、なぜ自分ではなく、ピーターのことを選ぶのかとメイソンがジュリアに尋ねると、彼女の答えは彼のプライドを傷つけるものでした。
「ベッドの中では、彼のほうが上手いから……」
結婚式の資金だってほとんどメイソンが払いましたし、ジュリアのためにパイプカットの再建術までしたのに、ジュリアはいとも簡単にメイソンを切り捨てたのでした。
深い悲しみ
メイソンはひどく落ち込んでいましたが、何をすべきかは分かっていました。「こんなふうに生き続けることはできない。いつまでも彼女に縛られ続けるのはやめよう」そしてメイソンは、ジュリアから返された結婚指輪を売り、結婚式や彼女を思い出させるものすべて処分しようと決断したのでした。彼女を思い出させるものがなければ、少しは自分の気持ちが晴れると思ったのです。メイソンは少しでも早くジュリアのことを忘れて、前に進もうとしていました。
結婚指輪
メイソンは、彼女との思い出のものを少しでも早く処分したかったので、オンラインで結婚指輪を４００ユーロで売り出しました。しかし、その破格価格と彼が投稿したコメントにより、彼の結婚指輪はインターネット上でちょっとした話題になりました。まさにこの指輪こそが、ピーターに付き添ってもらって買いに行った指輪です。
「多くの人々が、ただの冗談かと思った」とある人は言います。大勢の人々が冗談だと思ったメイソンのコメントとは何だったのでしょうか？
話題になった投稿
メイソンは半ばやけくそになって、こんなコメントと共に結婚指輪を売り出しました。「こんにちは。私は最近、６月３日にメキシコで結婚式を挙げて、この結婚指輪は妻のジュリアが結婚の誓いを述べたときに使われたものです。しかし、結婚式の６日後に彼女が僕の友人と初夜に浮気をしていたことが発覚し、私たちの夢のような結婚式から今まで８週間の間、いまだに妻は不適切な関係を持ち続けています。」
こんなドラマのような話が本当に起こったとは、誰も信じられなかったのでした。
それから２年
メイソンはなんとか指輪を売ることができ、ジュリアを思い出させるものもすべて処分しました。それから２年が経過し、メイソンは元気に過ごしていました。彼に今の気持ちについて聞いてみると、ジュリアが結婚の誓いを立てるには若すぎたことを認めました。そして、今後もメイソンが彼女と和解するつもりはないとのことでした。
「恋は盲目」というように、メイソンはあまりにジュリアに夢中すぎて、周りのことが目に見えてなかったのかもしれません。
幸せな出会いが訪れますように
残念ながらメイソンは、彼女の笑顔のためであれば、何でもしてあげようと思っていた女性とは上手くはいきませんでした。それだけでなく、彼は結婚初夜に妻と信頼していた友人の二人から裏切られるといったドラマのような経験もしました。それでも、メイソンは新しい人生を歩み始め、自分の幸せを掴もうとしていたのです。そんな常に誠実で思いやりに溢れたメイソンに、今後素敵な出会いが訪れますように願います。
